スカーレットの悪女
「もう、志勇なんて嫌い!さっさと壱華を起こして二人きりでショッピング楽しむんだから!」

「やめてやれよ、4時間前に寝たばかりだ」

「はあ!?それまで営みまくってたってこと!?サイテー!」

「言っておくが、誘ってきたのは壱華だからな」



必死な私に対して、涼しい顔の志勇。


壱華が誘ったっていうけど、だからって今日私との予定があるのに抱き潰すなよ。



「キィー!壱華がどんどん毒されていく……」

「怒ったり泣いたり忙しいやつだな」



壱華がいたたまれなくて悔しくて、涙を流すとまた鼻で笑われた。



「お前も頑張って彼氏作れよ」

「それどころじゃないっての!」



だからこいつはなんでいつも上から目線なんだ。


一言ぎゃふんと言わせたかったけど、生き生きした綺麗な笑顔を前にしたら気が抜けた。
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