スカーレットの悪女
「こっちはお前が13時に来るって聞いてたから、それまでに壱華を起こして待ってようと思ってたんだ。お前が来るの早すぎるんだよ」



確かに2時間前に家に来たのは早すぎたかもしれない。


私はそれだけ壱華に対する想いが強いんだよ、志勇と一緒でね。



「はあ、壱華が寝てるならちょうどいい。聞きたいことがあった」



短くため息をついて目を合わせると、志勇は再びソファに座って脚を組み、黙って私の顔を見つめている。


どうやら疑問に答えてくれるらしい。



「山城に動きはない?」



私が聞きたいことはずばり、極山会の動向。


壱華の安全を脅かす存在の最新情報を知っておきたかった。
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