スカーレットの悪女
特に理叶なんて目を擦ってめちゃくちゃ眠そうだ。低血圧だもんね、起きるのつらそう。


理叶とは変わらず仲良くしている。


志勇に警告されたけど、理叶は私の知っている理叶は我慢強くて自分の感情をコントロールできている。


つまり、理性でサイコパスの本性を押さえつけている状態だ。


よほどのことがない限り、正気を失うことはないと判断した。


何より理叶は友達だから、そんな簡単に見捨てるような真似をしたくなかった。



「実莉何時起き?」

「5時だぜベイベー!」



光冴はあくびをしながら質問してきた。


元気いっぱいに答えると、なぜか理叶が遠い目をした。



「今年はおしとやかな淑女目指すって言ってたの、どこの誰だろうな」

「あっ、忘れてた。だって壱華の振袖見られると思ったら嬉しくて」

「さすがシスコン」



年が明けてもシスコンは健在。


ふたりは変わらない私を見て呆れ気味だけど、穏やかに笑った。
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