スカーレットの悪女
正月からこんなこと考えても仕方ないよね。


せっかくの晴れの日だ。楽しいことを考えよう。



「違います~、昨日は11時には夢の中でした~」

「いや早すぎ、せめて年跨ぐまでは頑張って起きなよ」

「年越しに壱華がいないことにふてくされてたらいつの間にか寝てた」

「出た、シスコン。昨日は壱華ちゃんと年越しそば一緒に食べたじゃん。しかも年明けたらすぐ会えるのに」

「志勇め、私のお姉ちゃんを独占しやがって。着物くれたのは嬉しいけどあとでお年玉請求してやる」



不安は消えたが不満はある。


年越しの瞬間をどっちと過ごすかは、昨日志勇とじゃんけんで公平に決めたから仕方ないけどさ。


ぷくっと頬を膨らませると、颯馬は笑った。
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