スカーレットの悪女
「壱華、気に留める価値もない。行くぞ」



志勇は目も合わせず進み出す。壱華は少し戸惑っていたけど、眼中にない姿勢にちょっと安心したように見えた。


大丈夫だよ壱華。志勇が壱華以外に興味あるわけないじゃん。


むしろ並んだ時に頭身と顔の大きさが歴然となってちょっとした公開処刑みたいだった。


壱華はスタイルもよければ顔も小さいからね。



「志勇様、待ってください!」

「ご挨拶だけでも!」

「触るな、気持ち悪い」



壱華の美しさを前にしても退かない彼女たちは、必死に志勇に媚びを売るも撃沈。


志勇に触ろうとしたけど手で払われ、声に不快感が滲み出ていた。
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