スカーレットの悪女
「なんで?せっかく来たのにそれはないでしょ」

「あの女がいるから……ちっとも志勇様に釣り合う家柄じゃないのに」



参道の脇に取り残された2人。呆然としていたけど、すぐに怒りの矛先を壱華に向けた。


大好きな壱華に憎悪の目を向けられた時点で私の中では敵認定。


さて、悪女の妹の出番ですかね。



「必死になってウケる。ねえ、この人たちって志勇のなんなの?」



私は両サイドに剛さんと颯馬を引き連れ、参道を外れて彼女たちを嘲笑った。


原作では、この後2人は壱華に食ってかかってちょっかいをかける。


だから私が阻止しなければ。



「知らなーい。ただの兄貴の追っかけだよ」

「え?じゃあ志勇と関係があったわけでもないのに壱華に嫉妬してんの?さすがに痛すぎ」



悪女になりきって、かなり失礼なことをクスクス笑いながら言ってのけた。
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