スカーレットの悪女



「あけましておめでと、凛!」



潮崎に帰った私は、神木兄弟の部屋に突撃して振袖を見せびらかした。



「……あけましておめでとうございます」

「ねえ、どうこの振袖?壱華と色違いなの!ねえ凛聞いてる?かわいいって言ってよ」

「綺麗ですけどドヤ顔がちょっとうざいです」

「相変わらずだな凛太朗!」



凛の生意気さは健在。まあ、お世辞で褒められるよりいいけどさ。


なんか物足りないんだよね。こういう時は癒し系イケメンの優人に褒めてもらおう。



「で、私を褒めちぎってくれるであろう、イケメンお兄ちゃんの優人は?」

「今朝から出かけました。実家に用事があるらしくて」

「あれ、そうなんだ。正月から?」

「うん、朝起きたらいなかった」



正月から実家に?急を要することなんてあったっけ。
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