スカーレットの悪女
「なんですかその変な顔」

「春には凛も出ていくのかと思ったらお別れがつらい。せっかく友達になれたのに」



喜ばしいことなのに泣きべそをかいてしまった。


てっきり冷たく対応されると思ったけど、凛太朗は優しく微笑むと「俺もですよ」なんて本音を語ってくれた。


切ないけど、悲しい未来は変えられたんだ。


だったらこれほど嬉しいことなんてない。


私がしてきたことは無駄じゃなかった。



これからは全て好転していくはず――私は本気でそう信じていた。



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