スカーレットの悪女
しかしそれは私の血ではない。
いつ、車から飛び出して駆けつけたのだろう。
理叶と光冴の血だった。
血しぶきが私の服にかかり、理叶と光冴は倒れ込んて覆いかぶさった形で私は無傷だった。
うつぶせに倒れ、顔だけ襲撃者が出現した方に向かると、視界に映ったのはライフルのような大型の銃を片手に近づいてくる若い男。
私はその男の顔を見て戦慄した。
銃なんて扱えるようには到底見えない、中性的で繊細な優しい顔つき。
間違いない――優人だ。
奇襲を仕掛けたのは、極山の脅威から救ったはずの神木優人だった。
いつ、車から飛び出して駆けつけたのだろう。
理叶と光冴の血だった。
血しぶきが私の服にかかり、理叶と光冴は倒れ込んて覆いかぶさった形で私は無傷だった。
うつぶせに倒れ、顔だけ襲撃者が出現した方に向かると、視界に映ったのはライフルのような大型の銃を片手に近づいてくる若い男。
私はその男の顔を見て戦慄した。
銃なんて扱えるようには到底見えない、中性的で繊細な優しい顔つき。
間違いない――優人だ。
奇襲を仕掛けたのは、極山の脅威から救ったはずの神木優人だった。