スカーレットの悪女
「あれは魔王からの警鐘。早く選ばなければどちらも失うぞ、という脅しだ」

「選ぶって、何を?」



まさか優人は、5か月前からこうなることをあらかじめ予測していたの?


だったら尚更、どうして私に相談してくれなかったの?



「あの時からカウントダウンは始まっていた」



優人はふと目を伏せると、痛々しいほどの悲壮感を表情に浮かべた。



「神木か弟か、どちらを選んでも死が待ってる地獄への片道切符」

「……優人は、神木会を優先したの?」



問いかけると、優人は返答することなく銃口を私に向けた。
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