スカーレットの悪女
「望月は何を企んでる」

「山城はあなた方を殺害したいようですが、我が主は利用したいのです」



佐々木はもう攻撃する意志はないのか、拳銃を胸ポケットにしまった。




「ですからあなたは殺しません。すべて終わるまで死んではいけない。
あなたは相川壱華と一蓮托生(いちれんたくしょう)でいてもらわなければ」

「綺麗事を……お前らに壱華を託せるか!」



佐々木はもう一度壱華に手を差し出したけど、志勇がそれを振り払った。


肝心の壱華は瞳を大きく揺らし、迷っているように見えた。
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