スカーレットの悪女
どう答えるのが正解なのか、私は頭をフル回転させて必死に平常心を取り繕った。



「相川亮太が、何も知らず壱華を引き取ったと思いますか」

「あの男がそこまで?……では、あなたは私の秘密を知っているのですね」



片方の眉を上げて驚いた様子の赤星は、核心に迫るように断定した。



「知っていたら……どうしますか」

「私に問いかけられても困ります。決断するのは我が主、覇王です」



慎重に相手の出方を伺いながら質問を繰り出す。


しかし答えは得られず、不安だけが残る結果となった。


果たして望月は今回も壱華の味方でいてくれるのか。


私はどうなってもいいから、せめて壱華だけは助けてほしいと強く願った。
< 432 / 821 >

この作品をシェア

pagetop