スカーレットの悪女
振り返った時点で手を伸ばされており、不意に腕を掴まれた。



「痛っ……何?」

「はー、細い腕やな。ちょっと力入れただけで折れるでこんなん」

「離してよ!」

「ま、ふざけるのはここまでにしようか」



強い力で腕を掴まれ、身をよじって抜け出そうとする。


すると前方に気配を感じて、暴れるのをやめると目の前に赤星が立っていた。


挟み撃ちにされた。逃がさない、ということだろうか。



「単刀直入に聞くわ」



すると望月は、私の腕を掴んだまま獲物を狙うような目つきで見下ろした。



「自分、何をどこまで知ってるん」



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