スカーレットの悪女
今までふざけた態度を取っていたのが嘘のような、一切の慈悲を含まない眼差し。


質問の意図が読めない。


危険因子かどうか判断したいだけなのか、それとも知っている内容次第では抹殺しようとしてるのか。



「全部って言ったら、どうするの?」

「カマかけてる可能性もあるやろ、この場で全部吐き出せ」



望月は腕をさらに強く握って力で従わせようとしてきたから、「腕を離してくれたら話す」と伝えるとやっと解放された。


掴まれた腕が真っ赤になっている。


あざができたら壱華が心配するのにどうしてくれるんだ。


しかし、この場で文句を言っても仕方ない。


私は短くため息をついた後、壱華に隠された真実を明け透けに語ることに決めた。
< 450 / 807 >

この作品をシェア

pagetop