スカーレットの悪女
「ちょうどいい、これでりんごでも剥けよ颯馬」
「変な無茶ぶりやめて」
ナイフを折りたたんで渡すと、颯馬は顔をしわくちゃにしてそれを受け取った。
「で、向こうの様子は?」
渡したついでに西雲の様子を聞き出す。
すると颯馬はスマホを操作して画面をこっちに見せて来た。
「壱華はまだ寝てるみたいでずっとこんな感じ。でも、みーちゃんの写真はたくさん送られてきた」
「は?」
スマホを颯馬の手からもぎ取って、西雲から送られてきた壱華の写真を観察する。
荒瀬組お抱えの情報屋、梟を通して毎日壱華の安否確認のために写真を送って来ることを要求した。
毎日送られてくるのはいいが、なぜ実莉の写真ばかりなんだ。
壱華の写真はたった二枚。その後いくらスクロールしても、嫌そうに顔をしかめる実莉の写真ばかり。
威嚇するチワワみたいに歯をむき出しにした、ブサイクなツラで笑えた。
「変な無茶ぶりやめて」
ナイフを折りたたんで渡すと、颯馬は顔をしわくちゃにしてそれを受け取った。
「で、向こうの様子は?」
渡したついでに西雲の様子を聞き出す。
すると颯馬はスマホを操作して画面をこっちに見せて来た。
「壱華はまだ寝てるみたいでずっとこんな感じ。でも、みーちゃんの写真はたくさん送られてきた」
「は?」
スマホを颯馬の手からもぎ取って、西雲から送られてきた壱華の写真を観察する。
荒瀬組お抱えの情報屋、梟を通して毎日壱華の安否確認のために写真を送って来ることを要求した。
毎日送られてくるのはいいが、なぜ実莉の写真ばかりなんだ。
壱華の写真はたった二枚。その後いくらスクロールしても、嫌そうに顔をしかめる実莉の写真ばかり。
威嚇するチワワみたいに歯をむき出しにした、ブサイクなツラで笑えた。