スカーレットの悪女
「なにあれ、気に入られなくても結構だっての!」

「ひとつアドバイスさせていただきますと」



足音が完全になくなってからふんと鼻を鳴らすと、背後に赤星がいたことに気が付いた。



「ひえっ!赤星さん!?」



驚いて飛び上がったけど、なにやらアドバイスとか聞こえた気がする。


この人は本当に気配がない。そりゃ隠密に向いてるわけだ。



「もう一息ってところでしょうか」

「何が?」

「達成したら最速です。では、ご武運を」

「だから何が!?」



アドバイスと称して結局赤星は何も教えてくれなかった。


もう、西雲会の連中意味分かんない。


朝から疲れたから、壱華に癒してもらおうと私はフラフラ壱華の部屋に出向いた。
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