スカーレットの悪女
「かわいいな、小動物みたいやん」

「望月さんが大きいだけ」

「出た、まだ望月さん?大希って呼んで」

「なんで名前で呼んで欲しいの?」

「自分の名前気に入ってん。実莉は特別に呼ばせてあげよーと思って」



望月は相変わらず私に名前を呼ばせようとする。


仲良くしたいみたいだけど、どうせ私は1か月もしないうちに東京に帰るから意味ないでしょ。



「ふーん」

「俺が名前で呼ばせるの、実莉で三人目やで。女の子は実莉が初めて。あ、親はノーカンな」

「……赤星さん以外にもうひとりお気に入りがいるの?」



適当に生返事をしたけど、お気に入りが3人と聞いて質問してしまった。


そういえば私、西雲会の陣営はなにも知らないな。


そもそも関わると思ってなかったから、原作以上の情報は何も知らない。



「おるよ、弟みたいなかわいい部下が」

「へえ、知らなかった」



お気に入りという割には、ここに来てまだ会ってないけど。


もしかして赤星みたいにどこかに送り込まれてるのかな。


こいつに好かれるとどこか遠方に飛ばされる運命を背負わされるの?


ますます気に入られるの嫌なんだけど。
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