スカーレットの悪女
「やっと夢中になれる女性(ひと)を見つけたのに」

「え……」

「あの人は、お気に入りへの執着が激しいですから。現に私がそうです。捨て置くべき命を生かして回りくどい方法で手元に帰還させた。
いまいち理解できていないようですが、大希があなたに名を呼ばせた。つまり、私と同じ立場になったということですよ」



赤星に解説され、私はようやく自分がかなりヤバい状況にあることに気が付いた。


まずい、大希にこれ以上気に入られたら壱華と引き離されるじゃん。


それは絶対嫌だ!私には恋愛なんてしてるヒマないんだ。


私にとっての優先順位は壱華が一番なんだから。


そう言い聞かせ、私は壱華に走って会いに行った。
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