スカーレットの悪女



大阪に来て1週間が過ぎた。


今日は少し進展があった。なんと、望月が電話をすることを許可してくれたのだ。


壱華と志勇は1週間ぶりに声を聴き合い、お互い安心したようだった。


望月の監視がある状態で数分間の会話だったけど、これは大きな変化だ。


原作では東京に戻るまで電話すら許されなかったはず。


それが間接的に私がいることで許可された。


壱華の安心した顔を見たら、それだけで私がついてきた意味がはちゃんとあったんだと嬉しかった。


まあ、望月には「実莉が俺のこと癒してくれたら電話を許可する」なんてぶっ飛んだ条件を出されたけど。


癒しとはなんだろう。そう考えているうちに夜になった。


夜、お風呂から上がると、望月はスーツを着たまま私の布団に寝転んでいた。
< 517 / 807 >

この作品をシェア

pagetop