スカーレットの悪女
酒臭いしタバコくさい。
ああ、そういえばお偉いさんの接待がどうこうって言ってたっけ。
「実莉、もう風呂入ったん?一緒に入りたかった~」
「キモッ、絶対無理だから」
「えー?俺頑張ったんやで?ジジイどもの長い話をのらりくらりとかわして、キレそうな親父なだめて場を丸く治めて……」
ここに来て知ったのは、大希は意外と苦労人らしいということ。
同じ若頭でも志勇と全然違う。
志勇が傍若無人なのは、荒瀬の正統な血を引く嫡男ってこともあるんだろう。
大希は後ろ盾がないから、地道に力をつけていくしかなかったんだ。
「ちょっと、私の布団なんだけど」
大希が苦労してるのは分かったけど、それとこれは違う。
私の寝床を嫌な臭いで汚染しないでほしい。
「言うたやん、電話させてあげる代わりに実莉に癒してもらうって。ほれ、早く俺のこと癒して」
大の字で寝て移動する気が全然ない。
私はため息をついて、それから仕方なく大希の頭をなでた。
ああ、そういえばお偉いさんの接待がどうこうって言ってたっけ。
「実莉、もう風呂入ったん?一緒に入りたかった~」
「キモッ、絶対無理だから」
「えー?俺頑張ったんやで?ジジイどもの長い話をのらりくらりとかわして、キレそうな親父なだめて場を丸く治めて……」
ここに来て知ったのは、大希は意外と苦労人らしいということ。
同じ若頭でも志勇と全然違う。
志勇が傍若無人なのは、荒瀬の正統な血を引く嫡男ってこともあるんだろう。
大希は後ろ盾がないから、地道に力をつけていくしかなかったんだ。
「ちょっと、私の布団なんだけど」
大希が苦労してるのは分かったけど、それとこれは違う。
私の寝床を嫌な臭いで汚染しないでほしい。
「言うたやん、電話させてあげる代わりに実莉に癒してもらうって。ほれ、早く俺のこと癒して」
大の字で寝て移動する気が全然ない。
私はため息をついて、それから仕方なく大希の頭をなでた。