スカーレットの悪女
翌日、昼まで私の部屋で寝ていた大希はいつのまにかいなくなっていた。
この隙に布団交換してもらおう、赤星はどこかな。
「実莉ぃ、なんで昨日壱華の部屋で寝たん?あれは添い寝する流れやったろ」
広い屋敷の中赤星を捜していると、肩にタオルをかけて濡れた髪の大希と出会った。
さすがに臭かったから風呂に入ったのか。
いろいろと文句言ってやりたかったけど、目のやり場に困るくらい色気が放出されていて私は大希の顔をガン見したまま立ち止まった。
すると大希は妖艶に微笑んだ。
「風呂上がりの俺かっこいいやろ?」
「自分で言うと価値が半減するんだよ……」
思わずおっしゃる通りですと頷きかけた。しかしそんなことを言った暁には、有頂天になって至極めんどくさくなりそうだから絶対言わない。
「半減ってことは少しは魅力的って思ってんやな。実莉、さてはツンデレか?」
「だーれがツンデレだ!人の布団臭くしやがって!布団交換を要求する!」
「おチビちゃんが必死になってるのかわええわぁ。布団ならもう交換したから大丈夫やで」
朝から癪に障りまくるけど、布団交換をしてくれたらしいのでよしとしておこう。