スカーレットの悪女
「おかえり、雅。おつかれやったな」

「大希さんに労わってもらえたら疲れ吹っ飛びますわ」



いまいち状況が把握できてないんだけど、笑顔で熱烈な視線を向ける様子から見て間違いない。


この人、大希限界オタクだ!


前世ではオタクだったし、今は壱華オタクと言っても過言じゃないから彼の態度に既視感がある。


だからこそ厄介だ。主が大好きで従順なあまり周りに嫉妬するタイプって創作でありがちなキャラだけど、実際に遭うとマジでだるいタイプだから。



「で、この女どもなんです?」



ほら、表情と口調の切り替え方からして絶対そうだ。


初対面なのに大希が目をかける女として敵認定されてるじゃん。


うわー、予想外だった。原作に出てないのにこんなキャラの濃い男が潜んでいたとは。



「壱華と実莉。美人姉妹やろ?最初は壱華だけ匿うかって話やったけど、赤星が妹もおもしろそうやからって連れてきてん」

「違いますよ、なんでこんなにいい待遇で本家に住まわしてるかって聞いたんです。いわば人質ですよね?監禁したらええやん」



さっそく監禁とか物騒なこと言ってる。


やめてよ、私の後ろで壱華怖がってるじゃん!
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