スカーレットの悪女
side 志勇


店の外に出て、待機させていた車に乗り込み、俺はひとりほくそ笑んだ。


予想外だった。


相川実莉があそこまで情報を網羅していたとは。


何者だあのガキ、俺たちの計画までお見通しとは。


正直、計画についてはどうだっていい。


俺が動かなくとも、“西の連中”は今のままじゃ勝手に潰れることだろう。


わざわざ俺が手出しする必要がないから、あの姉妹の後見人になったのただの暇つぶしだ。


そのはずだったが、あのガキに興味を抱いてしまった。
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