スカーレットの悪女
「いませんけど」
「ほんまに?じゃあ好きな男は?」
「実莉のことを好きな人は山ほどいるでしょうけど、実莉自身が好意を抱いてる人はいないと思います」
「ふぅん……」
実莉には彼氏がいたことがない。しかし、幼稚園児時代から数えて100人以上には告白されている。
実莉は自他ともに認めるシスコンだから彼氏なんて作る気もないみたい。
わたしも志勇と出会うまでそうだったけど、果たして望月さんはライバルひしめく中、実莉の運命の人になれるのか。
望月さんはチャンスだ、とでも言いたげに口角を上げて頷きながら腕を組む。
「結局何が聞きたいんですか?」
でも、大切な妹を堂々と狙うその態度がなんだか気に食わなくて、わたしは自ら口を開いた。
すると望月さんは上目遣いでわたしを見つめ、なぜか畏まって正座をした。
「完っ全にノーマークやったんやけど……」
膝の上で拳を丸め、もったいぶって口を閉じる望月さん。
しばらくして顔を上げ、目を輝かせて見たことのない爽やかな笑みを見せた。
「実莉のこと、好きになってしまってん」
「ほんまに?じゃあ好きな男は?」
「実莉のことを好きな人は山ほどいるでしょうけど、実莉自身が好意を抱いてる人はいないと思います」
「ふぅん……」
実莉には彼氏がいたことがない。しかし、幼稚園児時代から数えて100人以上には告白されている。
実莉は自他ともに認めるシスコンだから彼氏なんて作る気もないみたい。
わたしも志勇と出会うまでそうだったけど、果たして望月さんはライバルひしめく中、実莉の運命の人になれるのか。
望月さんはチャンスだ、とでも言いたげに口角を上げて頷きながら腕を組む。
「結局何が聞きたいんですか?」
でも、大切な妹を堂々と狙うその態度がなんだか気に食わなくて、わたしは自ら口を開いた。
すると望月さんは上目遣いでわたしを見つめ、なぜか畏まって正座をした。
「完っ全にノーマークやったんやけど……」
膝の上で拳を丸め、もったいぶって口を閉じる望月さん。
しばらくして顔を上げ、目を輝かせて見たことのない爽やかな笑みを見せた。
「実莉のこと、好きになってしまってん」