スカーレットの悪女
「うわぁ、めっちゃええ匂いする」
一度オーブンを開けてから、もう少し焼き目をつけようかなと再びオーブンに戻すと、このタイミングで大希が帰って来た。
思ったより帰って来るの早かった。むっと顔をしかめると、大希がキッチンを覗き込んだ。
「俺の部屋でなんしてん」
「オーブン借りてアップルパイ焼いてるの。赤星さんが貰い物のりんご余ったっていうから」
「そうなん、じゃあ今日は紅茶出すわ」
大希は私が部屋にいることに特に驚くことなく、脱いだ上着を玄関横のウォークインクローゼットにかけに戻る。
それを横目で見守りながら、なんか同棲カップルみたいな会話をしてしまったなと反省した。
「あとどれくらいで焼けるん」
「10分くらいかな」
手を洗って戻ってきた大希は、私といっしょにオーブンを覗き込んで目線を合わせる。
何気なく大希の顔を見ると、視線が私に向けられた。
大希が私を受け入れてからは、その目は怖くなくなった。
ただ、じっと見つめるから何を言いたいのか分からず首を傾げると、大希は口角を上げた。
一度オーブンを開けてから、もう少し焼き目をつけようかなと再びオーブンに戻すと、このタイミングで大希が帰って来た。
思ったより帰って来るの早かった。むっと顔をしかめると、大希がキッチンを覗き込んだ。
「俺の部屋でなんしてん」
「オーブン借りてアップルパイ焼いてるの。赤星さんが貰い物のりんご余ったっていうから」
「そうなん、じゃあ今日は紅茶出すわ」
大希は私が部屋にいることに特に驚くことなく、脱いだ上着を玄関横のウォークインクローゼットにかけに戻る。
それを横目で見守りながら、なんか同棲カップルみたいな会話をしてしまったなと反省した。
「あとどれくらいで焼けるん」
「10分くらいかな」
手を洗って戻ってきた大希は、私といっしょにオーブンを覗き込んで目線を合わせる。
何気なく大希の顔を見ると、視線が私に向けられた。
大希が私を受け入れてからは、その目は怖くなくなった。
ただ、じっと見つめるから何を言いたいのか分からず首を傾げると、大希は口角を上げた。