スカーレットの悪女
「何かあったんですか?」
声をかけると、颯馬さんは驚きの顔を維持したまま画面をこっちに向けた。
そこには、アップルパイ片手に誇らしげに自撮りをする実莉と、その後ろで控えめに微笑む壱華。
「自撮りに変わってる……」
どうやら、様子見のために送らせていた二人の写真が盗撮から自撮りに変わったらしい。
「この壱華かわいいな。実莉の顔は腹立つが」
もうすっかり立ち上がれるようになった荒瀬志勇は、タブレットを覗き込んで満足気。
……この人もずいぶん丸くなったな、表情筋の硬い人だと思ってたけど壱華のことになるとコレだもん。
「実莉?」
「理叶、気になる?みーちゃん向こうでも相変わらずだよ」
しかし、近づいて同じ画面を覗く理叶とは絶対目を合わせない。
この人は理叶の本性を知っているから警戒してるんだろう。
声をかけると、颯馬さんは驚きの顔を維持したまま画面をこっちに向けた。
そこには、アップルパイ片手に誇らしげに自撮りをする実莉と、その後ろで控えめに微笑む壱華。
「自撮りに変わってる……」
どうやら、様子見のために送らせていた二人の写真が盗撮から自撮りに変わったらしい。
「この壱華かわいいな。実莉の顔は腹立つが」
もうすっかり立ち上がれるようになった荒瀬志勇は、タブレットを覗き込んで満足気。
……この人もずいぶん丸くなったな、表情筋の硬い人だと思ってたけど壱華のことになるとコレだもん。
「実莉?」
「理叶、気になる?みーちゃん向こうでも相変わらずだよ」
しかし、近づいて同じ画面を覗く理叶とは絶対目を合わせない。
この人は理叶の本性を知っているから警戒してるんだろう。