スカーレットの悪女
翌日は飛行機で東京に向かうことになった。


メンバーは私たち姉妹と大希と赤星、それから数名の護衛で向かうらしい。


西雲での最終日、その日は凍えるように寒くてなかなか起き上がれず、寝床からなんとか這い出ると体が重く感じた。


体調が悪いわけじゃない、虚しいんだ。


まさか私、逆ホームシック現象が起きているのでは?


西雲を離れたくないと思うなんて信じられないけど、こんなにさみしくなるなんて。



「実莉、まだ寝てるん?あと一時間で出発するけど」



壱華はもう準備できたのかな、とぼーっと天井を見ながら考える。


すると襖が開いて、黒スーツに前髪を上げてばっちり決めた大希が部屋に入ってきた。


驚いて目が覚めた。相変わらずビジュが大優勝だな。


外見は今まで推してきた誰よりもぶっちぎりで一番かっこいい。
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