スカーレットの悪女

不透明な恋路なんて、最も避けたいと思っていたのに。


そんなことより、大希がこんなに諦めの悪い男なんて聞いてない！


だって原作でもあっさり壱華のこと諦めたじゃん。


初恋の、幹奈にそっくりの壱華に特別な感情を抱いていたはずなのに！


なんでよりによって私なの？


大希、マジでロリコン！？



「嫌だ、私は壱華の結婚式を見届けて、甥っ子姪っ子に囲まれながら幸せに暮らすのー！」



駄々をこねて周りの反応を伺ったけど、誰一人として助け船は出してくれない。


つまり絶対に覆せない決定事項なのか。



「だって、こうでもせんと実莉は手に入らんから」



大希は姿勢を戻し、少し首を傾けて片方の口角を上げる。



「はなから俺が欲しかったんは実莉、お前や」