スカーレットの悪女
志勇たちの安定のイチャつきぶりに懐かしいとさえ思ったその時、大希が私の視界を遮るように目の前に立った。



「だって実莉は難攻不落やから仕方ないやろ。どうしても大阪に残らんといけん条件を作って、強行突破するしかないやん?」

「……信じられない」



悲劇のヒロインの壱華をなんとか救い出して、ハッピーエンドまっしぐらだと思ってた。


そのはずが、まさかここに来て破滅フラグが立つなんて。


円満解決のはずが数多の問題が乱立している。



「籍はいつ入れようか」

「……は?無理」

「何が無理なん?なんだかんだ俺のこと好きやろ」



大希は私の心境を置いていくように話を進めていく。



「未成年に恋愛感情抱いてるおっさんとか無理〜!」



だからここぞとばかりに大きな声を張り上げて、どうにか私のターンの引き込めないか試してみる。



「まだ27やん!おっさんちゃうねん、実莉くらいの歳の子は年上好きやろ、そもそも自分、結婚できる年やん!」

「何言ってんのあんたアラサーじゃん!花も恥じらうセブンティーンに何けしかけてんの、このロリコンアラサーおじさん!」



案の定大希は反応したから、話を逸らそうとロリコンアラサーおじさんなんて目の前で蔑称を口に出す。


しかし大希に全くダメージを与えられず、むしろ何か悪いんだ?なんて顔をされた。


すると大希はニヤリと口を曲げた。
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