スカーレットの悪女
本家にはその後涼ちゃんが駆けつけ、本家の馴染みのある面々と再会を喜び合った。


だけどその場に理叶や光冴はいなくて、志勇に訊くと「あのガキは察しがいいからな」と哀愁を感じさせるつぶやきを遺して壱華を連れて離れに向かった。


しばらく本家の離れを居住地にするらしい。


そういえば原作でも、壱華と志勇は結局ここで暮らすことになるんだっけ。


大希も本家の離れで暮らしてたし、確かに一番安全かも。


私も大阪に行ったら大希が暮らしてる部屋で生活することになるのかな。


それはさておき、私は潮崎にまだ部屋が残ってるから、あと一か月そこで過ごすつもりだ。


志勇が早々に壱華を連れて離れに引きこもったから、涼ちゃんと潮崎に帰ることにした。


緊張するな、自分の口から理叶と光冴に一か月後に大阪に引っ越すことになったと伝えなきゃならない。


2人はどんな反応をするんだろう。きっとショックを受けるよね。


想像すればするほど悪いビジョンしか見えない。


そうこうしているうちに私と涼ちゃんを乗せた車は潮崎に到着し、私は恐る恐る潮崎の玄関に続く門をくぐった。
< 615 / 807 >

この作品をシェア

pagetop