スカーレットの悪女
その後私は自分の部屋に「話がある」と理叶と光冴を呼んだ。



「そういえば2人とも、怪我は大丈夫?」



2人とも何の不自由なく日常生活を送っているようだけど、2人は私を庇って優人に撃たれたのだ。


原作では壱華を撃って1か月間入院していた2人。軽傷で済んだとは言え、責任を感じてしまう。



「もう塞がった。心配ない」

「たまにかゆくなるくらい。あと雨の日になぜか疼く」

「……そうなんだ」



拳銃で撃たれる経験はもちろんないから共感できない。


でも確かに、美花に刺された箇所がうずくことがあるから似たような感じだろうか。



「でも、実莉を守ることができてよかった」

「俺たちはたぶん、あの時実莉が撃たれてた方が後悔してたと思う」



私が責任を感じないように声をかけてくれる理叶と光冴。


だけど私の胸はやるせなさでいっぱいだった。
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