スカーレットの悪女
「ヤバい奴なのは間違いないけど、まあ簡単に言うと、私に対しては姪っ子に超甘々な叔父さんみたいな感じ」

「……あぁ、なんか、絶妙な例えですね。なんとなく分かるような」



大希がどんな男なのか説明すると、凛太朗は斜め上を見て想像している様子。



「あの暴君でわがままな志勇より扱いづらくて最初はほんと苦労した」

「え、若より手を焼くってどんだけですか」



ため息混じりに愚痴を吐くと、凛太朗は目線を戻して眉間にしわを寄せる。

やっぱり凛太朗もあの暴君には振り回されて大変だよね。



「考えてることが分かりづらい感じ?てか凛も志勇の厄介さ痛感してるんだね……あいつヤバいよね、いじり倒して相手が困ってる様子見て楽しんでるんだもん」



大きく頷きながら共感していると、突然目の前が暗くなった。


あれ、なんか背後に人の気配が……それにこの香水の匂い、まさか!



「荒瀬に帰って早々俺の悪口とは、どういう了見だこら」

「げっ!本人が来ちゃった!」
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