スカーレットの悪女
「乙女に太ったとかタブーです!あとこれはむくんでるの!」

「ああ、すまん。丸々して健康そうでよかったって意味なんだが」

「ククッ、どこがだよ、パンパンにむくんで不健康そうだろうが」



どう言い換えてもフォローになってないから、ついに志勇がオブラートに包まず発言して笑い出した。



「明日にはすっきりしてるはずだから笑わないでよね!」

「さっきも泣いてたろ、どうせ明日もむくんでることだろうよ」



感動の再会ゆえに涙してこうなったのに、笑いものにするのはやめて欲しい。



「なんなの?いつまで私の顔にいちゃもんつけるわけ?さっさと壱華の待つ離れに行けばいいじゃん」

「昨日激しくし過ぎて今は寝てる」

「……はあ、どうせそんなことだろうと思った」



これ以上ちょっかいかけてくるなら壱華にチクってやると思ったけど、壱華は寝てるらしい。


確かに性欲の強い志勇が1か月女を抱くのを我慢したら爆発しそう。


そう考えると大希って割と我慢できるタイプ?


それともアラサーだから性欲減退してるとか?


いくら西の虎と恐れられても、やっぱり年には抗えないよね~。


なんてこんな失礼なこと考えてたら、たぶん今頃大希くしゃみしてそう。



「剛さん、体はもう大丈夫なの?無理は禁物だからね」



気を取り直して剛さんと向かい合う。


すると彼はなぜか正座をして私たちに向かい合った。
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