スカーレットの悪女
大希はスマホの画面を見つめて宝物を見つけたみたいに喜んでたけど、不意に不機嫌そうに口の端を下げた。
「ああもう、邪魔やってどいて」
邪魔?何が?
「冷たいなあ、俺もかっこよく撮って」
すると頭上から声がした。しかもかなりの至近距離で。
え、誰この声。聞いたことない男の声だ。
自信にあふれて存在感があってよく通る独特な声。そんな声質の男、大希の他にいた?
「えらいえらい、よう働く子や」
その声が私に向けられた。音の発する方向が私に変わったのがはっきり伝わった。
誰この人、顔を見なくても伝わるこの“強そうな男オーラ”はなんなの!?
頭上を見上げると、白髪混じりの髭面の男が私を覗き込んでいた。
「ひぇぇぇ!」
全く知らない人間だったこと、その男の目が明らかに危険そうな鋭さだったことに驚いて大声を上げた。
距離を取ろうと後ずさりした拍子にバランスを崩して盛大に尻もちを着いた。
「やめてや親父!実莉が腰やったらどうするん」
大希はすぐに近寄ってきて私の背中を支えた。
痛いとか思ってる余裕がなくて、ただ大希の発言に驚いた。
親父?もしかしてこの男……。
「ああもう、邪魔やってどいて」
邪魔?何が?
「冷たいなあ、俺もかっこよく撮って」
すると頭上から声がした。しかもかなりの至近距離で。
え、誰この声。聞いたことない男の声だ。
自信にあふれて存在感があってよく通る独特な声。そんな声質の男、大希の他にいた?
「えらいえらい、よう働く子や」
その声が私に向けられた。音の発する方向が私に変わったのがはっきり伝わった。
誰この人、顔を見なくても伝わるこの“強そうな男オーラ”はなんなの!?
頭上を見上げると、白髪混じりの髭面の男が私を覗き込んでいた。
「ひぇぇぇ!」
全く知らない人間だったこと、その男の目が明らかに危険そうな鋭さだったことに驚いて大声を上げた。
距離を取ろうと後ずさりした拍子にバランスを崩して盛大に尻もちを着いた。
「やめてや親父!実莉が腰やったらどうするん」
大希はすぐに近寄ってきて私の背中を支えた。
痛いとか思ってる余裕がなくて、ただ大希の発言に驚いた。
親父?もしかしてこの男……。