スカーレットの悪女
突然二択の質問を淡々と繰り出した大希。


冗談、ではなさそう。だって腹が決まったような顔をしている。



「いきなり過ぎない?」

「だって実莉モテるやろ」

「そうだとして大希の所有物だって知ったら誰も手を出さないって。それに私の隣には常に壱華という爆モテ美女がいたから私はモテない方だと思う」

「ああ……」



電話のあと、壱華からメッセージが送られてきた。


私が“覇王の花嫁”として大阪に迎えられたことは裏社会界隈で話題になってるって。


壱華は心配する一方で、私の花嫁姿も見たいと嬉しそうに笑っていた。


だからって早急すぎる。それとも私、大希が焦るほど脈ナシな態度取ってた?



「で、どっち?」



大希は私を見つめながら首をかしげる。


決断を迫りながら、距離を取るように体制を変えてベッドサイドに脚を投げ出し座る。


嫌ならこの場から逃げ出してもいいと言っているみたいだった。


無理強いできる立場なのにそれをしない。あくまで私を尊重してくれていることが伝わって、私の腹も決まった。
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