スカーレットの悪女
準備を終えてキャリーケースを玄関に運ぶ。
もう1つボストンバッグを取りに部屋に帰ると、大希はスマホを耳に当てて電話をしている最中だった。
「大希、私もう行くけど」
「え、もうそんな時間?見送り行きたいけど仕事入ったわ最悪」
どうやら仕事に関する電話らしい。大希は電話相手に絶対聞こえてるであろう音量で愚痴を吐き、その後すぐに通話をやめた。
「向こう着いたら連絡してな、連絡こんかったら鬼電するから」
「やめてよ迷惑」
「ありゃ、もういつもの実莉に戻ってるやんさっき甘えたでかわいかったのに」
「急いでるの、甘えてるヒマないから」
バッグを取りに来ただけなのに抱きしめられてらちが開かない。
抜け出そうとして暴れたら「ちょっとだけ待ってや」と懇願された。
「なに?」
「はいこれ」
すると大希はポケットから何か取り出し、右手の薬指を掴んで何かを指に通した。
冷たい感覚がして手を見ると、そこにはちょうどいいサイズの指輪が輝いていた。
もう1つボストンバッグを取りに部屋に帰ると、大希はスマホを耳に当てて電話をしている最中だった。
「大希、私もう行くけど」
「え、もうそんな時間?見送り行きたいけど仕事入ったわ最悪」
どうやら仕事に関する電話らしい。大希は電話相手に絶対聞こえてるであろう音量で愚痴を吐き、その後すぐに通話をやめた。
「向こう着いたら連絡してな、連絡こんかったら鬼電するから」
「やめてよ迷惑」
「ありゃ、もういつもの実莉に戻ってるやんさっき甘えたでかわいかったのに」
「急いでるの、甘えてるヒマないから」
バッグを取りに来ただけなのに抱きしめられてらちが開かない。
抜け出そうとして暴れたら「ちょっとだけ待ってや」と懇願された。
「なに?」
「はいこれ」
すると大希はポケットから何か取り出し、右手の薬指を掴んで何かを指に通した。
冷たい感覚がして手を見ると、そこにはちょうどいいサイズの指輪が輝いていた。