スカーレットの悪女
side 実莉
1週間の帰省は楽しかった。荒瀬兄弟はあまのじゃくだから「もう帰ってきたのかよ」ってからかってきたけどあたたかく迎え入れてくれた。
凛太郎は剛さんや力さん、本家の人たちに可愛がってもらってるらしくて早くも馴染めたみたい。
理叶と光冴は本格的に家業に専念することになり忙しそうだったけど元気そうで安心した、とわざわざ本家まで会いに来てくれた。
そしてとにかく壱華に会えて安心した。新婚らしく幸せそうだったし、嬉しそうにエコー写真を見せてくれてこっちまで幸せな気分になった。
まだつわりも始まってないみたいだから、5月に会うことを約束して大阪に戻ってきた。
大阪に帰ってきたけど私への迎えはなし。そういえば雅さんが天音組の若頭になるって言ってたから急に忙しくなったのかな。
「雅さんただいま、これお土産」
実家よろしく勝手に正面玄関から上がってしばらく進むと、廊下で雅を見つけた。
ちょうどいいと思って持っていた紙袋を彼に前に突き出す。
「好きなんでしょ東京ばな奈。これおいしいよね」
「それより俺になんか言うことないん」
「何が?」
「は?聞いてないんか若頭に就任したんやけど」
無視されると思ったけど、意外にも素直に受け取ってそれからドヤ顔をかましつつ自慢をしてきた。
大希の役に立てることが至上の悦びである雅にとって、今回の若頭襲名はよほど嬉しいことだったらしい。
1週間の帰省は楽しかった。荒瀬兄弟はあまのじゃくだから「もう帰ってきたのかよ」ってからかってきたけどあたたかく迎え入れてくれた。
凛太郎は剛さんや力さん、本家の人たちに可愛がってもらってるらしくて早くも馴染めたみたい。
理叶と光冴は本格的に家業に専念することになり忙しそうだったけど元気そうで安心した、とわざわざ本家まで会いに来てくれた。
そしてとにかく壱華に会えて安心した。新婚らしく幸せそうだったし、嬉しそうにエコー写真を見せてくれてこっちまで幸せな気分になった。
まだつわりも始まってないみたいだから、5月に会うことを約束して大阪に戻ってきた。
大阪に帰ってきたけど私への迎えはなし。そういえば雅さんが天音組の若頭になるって言ってたから急に忙しくなったのかな。
「雅さんただいま、これお土産」
実家よろしく勝手に正面玄関から上がってしばらく進むと、廊下で雅を見つけた。
ちょうどいいと思って持っていた紙袋を彼に前に突き出す。
「好きなんでしょ東京ばな奈。これおいしいよね」
「それより俺になんか言うことないん」
「何が?」
「は?聞いてないんか若頭に就任したんやけど」
無視されると思ったけど、意外にも素直に受け取ってそれからドヤ顔をかましつつ自慢をしてきた。
大希の役に立てることが至上の悦びである雅にとって、今回の若頭襲名はよほど嬉しいことだったらしい。