スカーレットの悪女
良かった、無事だったんだ!


でも見るからにやつれていて、頬がこけるほど痩せてしまっている。



「実莉!わたしのこと分かる?」

「分かるけど……壱華、痩せてない!?ちゃんとご飯食べた?」



ベッドまでのわずかな距離を走って、床に膝をついて手をぎゅっと握ってきた実莉。


クマができたその目には涙がたまっていき、強く握るその手は震えていた。



「実莉が死ぬかもしれないのに、そんな余裕あるわけないでしょ……」

「ごめんね壱華、心配かけて」



壱華の白い肌に涙が伝う。泣かないでと声をかけようとしたら、急に視界がぼやけて涙があふれた。


その時気がついた、私も怖かったんだって。
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