スカーレットの悪女
「なに、忘れ物?」
「やっだ!ちっちゃい!」
「へぶっ!」
てっきり大希が忘れ物をしたものだと思っていた。ところが靴を脱いで玄関に立っていたのは、前下がりのショートヘアの背の高い女性。
彼女は目にも止まらぬ速さで私に近寄ると、両手で顔を挟んできた。
体感1秒もなかった……なにこの状況、初対面の女性に顔挟まれてんだけど。ていうかこの方どなた!?
「大希に彼女できたいうから、ハワイから飛んで帰ってきたわぁ。なんやかわいい子やなぁ、お肌モチモチのぷるぷるやーん」
「ふぇぇ、どなたれふか」
行動がトリッキーだけどよく見たらとんでもない美人だ。
切れ長の目にすっと通った高い鼻が特徴的で、京美人という言葉が似合う年齢不詳の女性。快活な印象で、どことなく涼ちゃん系のパワフル美人かなと勝手に想像した。
「大希の母の雫佳です」
「しずかしゃん!?あなたが!?」
そんな彼女の口から「大希の母」という単語が飛び出て驚いた。
この方が昂大さんの後妻か。なんかイメージと違った。
てっきり壱華みたいな守ってあげたい儚い美女系かと思っていた。だって幹奈がそうだったらしいし。
でもシズカさんはなんというか……若い頃レディースの総長やってそうな姐御感がある。面倒見よくて慕われるタイプだろうな。
「やっだ!ちっちゃい!」
「へぶっ!」
てっきり大希が忘れ物をしたものだと思っていた。ところが靴を脱いで玄関に立っていたのは、前下がりのショートヘアの背の高い女性。
彼女は目にも止まらぬ速さで私に近寄ると、両手で顔を挟んできた。
体感1秒もなかった……なにこの状況、初対面の女性に顔挟まれてんだけど。ていうかこの方どなた!?
「大希に彼女できたいうから、ハワイから飛んで帰ってきたわぁ。なんやかわいい子やなぁ、お肌モチモチのぷるぷるやーん」
「ふぇぇ、どなたれふか」
行動がトリッキーだけどよく見たらとんでもない美人だ。
切れ長の目にすっと通った高い鼻が特徴的で、京美人という言葉が似合う年齢不詳の女性。快活な印象で、どことなく涼ちゃん系のパワフル美人かなと勝手に想像した。
「大希の母の雫佳です」
「しずかしゃん!?あなたが!?」
そんな彼女の口から「大希の母」という単語が飛び出て驚いた。
この方が昂大さんの後妻か。なんかイメージと違った。
てっきり壱華みたいな守ってあげたい儚い美女系かと思っていた。だって幹奈がそうだったらしいし。
でもシズカさんはなんというか……若い頃レディースの総長やってそうな姐御感がある。面倒見よくて慕われるタイプだろうな。