スカーレットの悪女
7月下旬。原作と同様、荒瀬の幹部が一同に集い、都内のホテルを一晩貸し切って催された荒瀬組の決起集会。


そして壱華の懐妊を祝しての祝いの席となっている。



「理叶、光冴、久しぶり〜」



ここで大事件が起きるわけだけど、すでに手は打っているため今のところ普段通り振舞っても大丈夫。


私は親友のふたりに挨拶を交わした。



「変わらず小っさいな実莉〜」

「元気が有り余ってそうだな」



光冴は恒例の挨拶のように私の身長をいじり頭を撫で、理叶は飛び切りの笑顔で私を迎え入れる。


態度は変わってないけど、高校を卒業してふたりとも雰囲気が出たというか、極道らしくなったな。


少し身長も伸びた気がする。それとも2人で鍛え合ってるって言ってたからそのせいで体が大きく見えるのかもしれない。



「そりゃそうよ、今日は壱華のお披露目パーティーだからね。ママになって一段と魅力の増した壱華に驚くがいいわ」



腰に手を当てふふんと笑うとふたりとも笑みを深める。


なんだかこの感じ懐かしくてずっと3人で話していたいけど、今日は使命を持って来たのだからこの辺りにしておかないと。



「じゃあ、また後でね」



含みを持たせた笑みで手短に挨拶を済ませると、ふたりとも同じようにニヒルに笑う。


それから壱華と志勇が座っているメインテーブルに向かった。
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