スカーレットの悪女
「理叶、出てきていいよ」
渾身の笑みに相手が怯んだ隙に、背後のドアに向かって声を発した。すると怪訝な顔をした理叶が現れ、私の隣に立った。
どうやら女たちの醜悪さに嫌気が差しているらしい。
特に理叶は最近、私のことを通して壱華と仲良くなったらしいから壱華を傷つけたいなんて聞き捨てならないよね。
分かる、私もほんとはブチ切れてしばき回したい。
「な、なんでここが……!?」
「早く追い出して!逃げられなくなるじゃない!」
理叶の登場に驚く2人は、まだ自分たちの護衛が味方してくれると思っているらしく指示をする。
ところが表情ひとつ変えず門番のようにドアの両端に立つ男たちを見て、ようやく事の重大さに気がついたようだ。
「まさか、最初から……」
「その通りだよ。あなたたちの護衛は間違えて私を連れてきたんじゃなくてぇ、あえて私を選んだの。部下を買収されたことも気づかないなんていい気味ぃ」
語尾をわざと伸ばし、猫なで声で挑発するように対応すると、青ざめかけていたふたつの顔がカッと赤くなった。
渾身の笑みに相手が怯んだ隙に、背後のドアに向かって声を発した。すると怪訝な顔をした理叶が現れ、私の隣に立った。
どうやら女たちの醜悪さに嫌気が差しているらしい。
特に理叶は最近、私のことを通して壱華と仲良くなったらしいから壱華を傷つけたいなんて聞き捨てならないよね。
分かる、私もほんとはブチ切れてしばき回したい。
「な、なんでここが……!?」
「早く追い出して!逃げられなくなるじゃない!」
理叶の登場に驚く2人は、まだ自分たちの護衛が味方してくれると思っているらしく指示をする。
ところが表情ひとつ変えず門番のようにドアの両端に立つ男たちを見て、ようやく事の重大さに気がついたようだ。
「まさか、最初から……」
「その通りだよ。あなたたちの護衛は間違えて私を連れてきたんじゃなくてぇ、あえて私を選んだの。部下を買収されたことも気づかないなんていい気味ぃ」
語尾をわざと伸ばし、猫なで声で挑発するように対応すると、青ざめかけていたふたつの顔がカッと赤くなった。