スカーレットの悪女
「おかえりなさい実莉さん、スッキリした顔をされてますね。何やら悩み事が解決されてよかったです」

「ただいまです、ありがとうございます」



そのくせ実莉には低姿勢で紳士的。実莉も赤星は信頼してるみたいですぐ笑顔で返した。


ムカつく、なんで他人にはほいほい笑顔見せるんや。



「おいおい、だーれが浮かれポンチや。しばいたろか」

「今夜大事な会議があります。いい加減出席してくださいね」



実莉と赤星の間に入ろうとしたら、赤星は俺の目を下から睨みつけるように見つめた。


ああ、妙に反抗的やな思ったけどそういうことか。



「はー、お前それ言いに来たん。実莉がおる時に言うとか嫌味な奴やな。出席してへん時点で断固拒否って分かるやろ」

「箔をつける意味でもあなたの出席が大事なんですよ」



召集命令のかかった会議に出なかったことを咎められたらしい。


赤星にとばっちりが来たんか。それは確かに生意気度が加速するかもしれへん。


でもその会議、めっちゃしょーもない議題やから行きたくないねん。


せやったら実莉と部屋でイチャイチャしたい。



「いいですか、統帥の命令です」

「ボンクラ統帥め、自分で片付けてくれや」

「待ってますからね」

「絶対行かへん」



あんのクソ親父め、立場が一番上なんやから一喝していざこざ一掃きてくれや。


名実ともに今の西雲に盾つける勢力はおらん。あんなみみっちい争い、すぐに鎮火できると思っとったけどまだ火種がくすぶってるらしい。


あー、めんどい。とりあえず召集かかる前に今夜の会議頑張れるように実莉に全力で癒してもらわな。
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