スカーレットの悪女
辺りに広がる静寂が覇王の異質さを際立たせ、同時に完全勝利が確定した。
勝負あり。見極めた側近2人のそこからの対応は早かった。
雅はうなだれる女に一直線に近づくと腕を引っ張り立ち上がらせる。
そして赤星さんは胸ポケットに手を突っ込むとなんと手錠を取り出してすみやかに彼女の手首に通した。
まだ天音の組長の動向が気になるところだけどここは女に先に退場してもらう方針らしい。
それよりなんで手錠を持ち歩いてんの?
「なんで手錠持ってん」
「サツからパクって私物にしました」
「ああ、前職公安の犬やったな」
大希も疑問に思ったらしく声をかけると予想外の返答が。
そういえば忘れかけてたけど、丞さんは5年間も警察官に化けていた経緯がある特殊なヤクザだった。手錠のかけ方が手慣れてるなと思った。
「どうしたんです、ツッコミのキレがないですね」
「当たり前やろ実莉が怪我してんねん」
丞さんは分かりやすく目配せしてツッコミ待ちだったけど大希が軽く流そうとしたから足を止めた。
確かにいつもの大希なら「それちゃんと鍵もセットでパクったんやろうな?開かずの手錠とか嫌やで!」とか元気にツッコミそう。
勝負あり。見極めた側近2人のそこからの対応は早かった。
雅はうなだれる女に一直線に近づくと腕を引っ張り立ち上がらせる。
そして赤星さんは胸ポケットに手を突っ込むとなんと手錠を取り出してすみやかに彼女の手首に通した。
まだ天音の組長の動向が気になるところだけどここは女に先に退場してもらう方針らしい。
それよりなんで手錠を持ち歩いてんの?
「なんで手錠持ってん」
「サツからパクって私物にしました」
「ああ、前職公安の犬やったな」
大希も疑問に思ったらしく声をかけると予想外の返答が。
そういえば忘れかけてたけど、丞さんは5年間も警察官に化けていた経緯がある特殊なヤクザだった。手錠のかけ方が手慣れてるなと思った。
「どうしたんです、ツッコミのキレがないですね」
「当たり前やろ実莉が怪我してんねん」
丞さんは分かりやすく目配せしてツッコミ待ちだったけど大希が軽く流そうとしたから足を止めた。
確かにいつもの大希なら「それちゃんと鍵もセットでパクったんやろうな?開かずの手錠とか嫌やで!」とか元気にツッコミそう。