スカーレットの悪女
「で、お前はどうする。壱華のように甘い判断を下すわけがないよな」



しかしこの男は、私に物思いにふける時間すら与えてくれないらしい。


私のことなんだと思ってんの?もしかして、黒帝を通して報復したの知ってる?


そうだとしても、美花のことをどうこうするつもりはない。



「もう十分罰は受けてるからいい。
命令を受けたのに失敗したなら、これからずっと極山の影に怯えて生きていかなきゃいけないでしょ?
壱華が復讐したいならまだしも、私はもう美花のことはどうだっていい」



だって壱華は無事なんだもん。


また壱華に近づいて傷をつけようものなら許さないけど、もう志勇の手中にあるから、迂闊に近づくことはできないはず。
< 80 / 807 >

この作品をシェア

pagetop