スカーレットの悪女
20分後、車の行き先が高級ホテルだということが分かった。


ふむ、ホテルのフレンチなら絶対おいしい、期待できそうだ。


車を降り、先頭で元気よく腕を振って歩き、レストランに直行した。


4人でテーブルを囲んでフレンチのフルコースに舌鼓を打ち、私も時間はかかったもののほとんど食べ切ることができた。


だけど大希は食後のコーヒーが出てきたタイミングでトイレと言って席を立った。


私は構わずその後運ばれた最後のデザートまでしっかり食べ終えた。


するとホテルのスタッフに声をかけられた。お連れ様がお待ちですのでご案内いたします、と。


そう言われ、サプライズの意味がようやく分かった気がした。



スタッフの後をついて歩き、エレベーターで23階に移動した。先に歩くスタッフが重厚なドアを開くと、開放感のあるガラス窓に囲まれた広いスペースが。


結婚式場のチャペルを思わせるような空間で、会場な奥に大希が私を待っていた。
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