スカーレットの悪女

“闇色のシンデレラ”は苦難を乗り越え、運命の相手である帝王と結ばれた。


ハッピーエンドのその先で、本来断罪される悪女が迎えた結末は覇王からの熱烈な求婚。


本来交わることのなかったふたりが出会い、恋に落ちるなんていったい誰が想像しただろう。


“スカーレットの悪女”の数奇な生い立ちが奇妙な運命を引き寄せた。


こう結論づけて、壱華のために捧げた人生は幕引きとしよう。


こうなった以上、自分らしく生きて、主人公みたく末永く健康的な人生の終焉(ハッピーエンド)を目指して大希と添い遂げてやろうじゃない。


私を選んだことに後悔はさせない。


決意を胸に顔を上げ、とびきりの笑顔で新たな人生の幕を上げた。




スカーレットの悪女 [完]
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