スカーレットの悪女
「急に無邪気になるのやめて。いつも邪悪な笑顔のくせに」

「誰が悪魔や、実莉に対して俺はいつだってひたむきやろ」



一生懸命選んだのに邪悪ってなんやねん。またツンデレ発動か?


そう思ったら「そうだね、ありがとう」と実莉ははにかむ。


急にデレるのやめえや、実莉の方が人のこと翻弄してよっぽど悪魔やないか。


あーあ、俺はたぶん一生こうやって実莉に振り回されて生きていくんやろうな。


トキメキで寿命縮んだらどうしてくれるん。


「ねえ、そうやって急に変な顔するのなんなの?」

「愛しさが限界突破してんねん。爆発しそう」

「ふーん、ねえこっち来て」



俺が必死に耐えてんのに興味なさげ。とりあえず呼ばれたから行ったけど、温度差あるのちょっと寂しい。



「大希、好きだよ」



そう思っとったらこそっととんでもない爆弾を投下してきた。



「待っ……!なんでこのタイミングで言うん!」

「爆発したらどうなるのかなって」

「俺の嫁が小悪魔すぎる……」



この俺が驚いてツッコミもろくにできんなんて。


おもんないしカッコ悪いけどこればっかりはしゃーないやろ。


魔性すぎて惑わされる。無理、一生敵わん。



END
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