スカーレットの悪女
絆の誕生
side 志勇
俺たちの子が、絆が誕生したのは11月のこと。
今か今かと待っていた実莉は誕生の知らせを聞いた3日後に大阪から文字通り飛んで帰ってきた。
「壱華!おめでとう!」
病室の外からパタパタと足音が聞こえてきたかと思えば、勢いよく病室のドアを開けて満面の笑みで一目散に壱華に走り寄る。
相変わらず騒々しいやつだ。せっかく絆が寝たところだってのに。
しかし壱華の胸に抱かれる絆は安らかな顔で眠っている。
「あらーすやすやしてるのかわいいねえ!待って新生児なのに鼻高くない!?」
「うるせえよテンション抑えろ」
「久々に会った第一声がうるせえってなんなん?ていうかこの私がこんな玉のようにかわいい子を見てテンション上がらないわけないでしょ」
大抵の人間は俺が顔をしかめると態度を改めるのに、こいつはまるで改める気がない。
仕方なくため息をつくと、絆がゆっくりとまぶたを開いた。
俺たちの子が、絆が誕生したのは11月のこと。
今か今かと待っていた実莉は誕生の知らせを聞いた3日後に大阪から文字通り飛んで帰ってきた。
「壱華!おめでとう!」
病室の外からパタパタと足音が聞こえてきたかと思えば、勢いよく病室のドアを開けて満面の笑みで一目散に壱華に走り寄る。
相変わらず騒々しいやつだ。せっかく絆が寝たところだってのに。
しかし壱華の胸に抱かれる絆は安らかな顔で眠っている。
「あらーすやすやしてるのかわいいねえ!待って新生児なのに鼻高くない!?」
「うるせえよテンション抑えろ」
「久々に会った第一声がうるせえってなんなん?ていうかこの私がこんな玉のようにかわいい子を見てテンション上がらないわけないでしょ」
大抵の人間は俺が顔をしかめると態度を改めるのに、こいつはまるで改める気がない。
仕方なくため息をつくと、絆がゆっくりとまぶたを開いた。