スカーレットの悪女
とりあえず私のことが嫌いというのは伝わった。


客観的に見たら、ヤクザの若頭にタメ口の女なんて白い目で見られて当然だけど。



「元気そうだな」

「元気そうに見える?痛み止めが手放せないんだけど。昨日も38度まで熱出た」

「よく喋るね〜」



ほら、志勇と話してたのに割って入るように一言呟く。


声は和やかだけど、目線で分をわきまえろ、そう言われた気がした。



「痛いだろうが、臓器が傷ついてないだけ良かったと思え」

「うん、とにかく壱華が無事ならそれでよかった」

「お前……本当に壱華以外に関心がねえんだな」



構わず会話を続けると、志勇は眉間にしわを寄せてため息をつく。


今日も相変わらずシスコンだって?


はいはい、今に始まった話じゃないからそっちが慣れてくれないと話進まないよ。


それに長い時間座っているのは苦痛だ。


内臓と筋肉が動いてお腹が痛いから一旦横になろう。
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