スカーレットの悪女
壱華はいい子だから良心に訴えかければ大丈夫のはず。


今のところ、良好な関係だからこれから姉妹らしくなっていけばいいかな。


そうして壱華が家に来てから1年が過ぎて、私は4歳、壱華は5歳になった。


さて、そろそろ1つ目の難関を立ち向かわなきゃならない。



壱華の唯一の味方、パパである相川亮太(りょうた)は、2年後に死ぬ運命にある。


原因は思い出せないけど、確か病気だったような。


突発性の病でないなら未然に防げる。



「パパ、病院行こうよ。この前言ってた人間ドックはどうなったの?」



証券会社の役員として、日々忙しなく働いているパパ。


休みなく働くから、体調を壊して当然だ。
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